第3日 3月10日(水) 「日本の美術工芸とそれを生んだ社会構造」

3月10日(水) プレミア・ガイド研修のスケジュール


 

時  間

講  師

内   容

1

9:159:50

 黒石陽子

美術工芸についての外国人の質問など、課題の整理

2

10:0012:00

小澤弘

美術工芸① 美術工芸とは、古代から近世へ

 

昼食休憩

 

 

3

13:0015:00

 小澤弘

美術工芸② 近世から近代へ、伝統工芸の現在

4

15:1516:45

 黒石陽子

・質疑及び意見交換会

・欧米人からみた日本美術の読み解き方、特に欧米同時代文化と類似点、相互影響を考察

・自主研究課題の検討

 

講義要旨

①日本の美術工芸および②日本の美術工芸
 ◎小澤弘氏

日本の美術工芸をテーマに、歴史的な意義と特質について時代を追って紹介、その創出にかかわる社会基盤や技術革新などについて論じる。「美術工芸」の定義から始め、創作に関わる技術や工夫、意匠などに言及。

各論に、日本の絵巻(絵と詞)、日常風景や四季・名所の表現、和紙、錦絵、金箔・漆芸・螺鈿装飾、鋳造、木工・金工、刀剣、寄木造、陶磁器柄図細工、染織、近世手工芸の分業化、狩野家の家元制と画壇の独占、尾形光琳の京鷹ヶ峰の芸術村、各藩の殖産興業策による美術工芸品生産、明治維新の産業革命による工業制手工業への展開、パリ万博覧や内国博・物産会への美術工芸品の出陳、近代の新版画の国際市場への展開などについて触れる。

黒石陽子氏のコメント

  私は美術工芸が担当です。ここでは「アートリテラシーをアップデートしよう」。

 これをキャッチフレーズとします。言語化しないと伝わりません。

 例えば、東大寺の大仏、東寺の仏像、鎌倉の大仏は違う文脈を持ちます。

 文脈を知って芸術品に会う。これはさらなる感動を覚えます。

 つながった知識は財産です。つなげる作業の中に外国の影響もからめとって

 

 行きます。感動を呼ぶ言語化、これが私たちガイドの仕事の責務の一部です。

<参考図書>

小澤弘氏推薦図書

辻惟雄監修『増補新装 カラー版日本美術史』美術出版 2,090

佐藤康宏『日本美術史 改訂版』放送大学教育振興会 7,840

山下裕二・高岸輝監修『日本美術史』美術出版ラーブラリー3,080

青柳正則・河野元昭ほか編『日本美術館』小学館16.500

 

TAKASHINA Shūji “The Japanese Sense of Beauty” JAPAN LIBRARY 2,970

黒石陽子推薦図書

日本美術の歴史 辻惟雄 東京大学出版会
日本美術史 山下裕二・高岸輝監修 美術出版社
日本美術の底力 山下裕二 NHK出版新書
利休にたずねよ 山本兼一 PHP研究所

(自主研修の課題例)

・浮世絵にみられる西欧の影響とジャポニスム
・奈良・京都・鎌倉の仏像/定朝・運慶の特徴
・喫茶から茶の湯の系譜/最澄・栄西・義満、義政の会所、同朋衆・利休・織部・遠州の道具・キリシタンの影響
・400年の美、絵師集団狩野派の戦略
・日本の芸術はデジタルインフォメーションなしの拡張現実AR(能舞台・水墨画・枯山水)
・心は一線を越えて遊ぶ/トランスワールド・トランスジェンダー(歌舞伎・能・土佐日記)

講師紹介

小澤弘

東京都江戸東京博物館名誉研究員・淑徳大学人文学部客員教授

1947年生まれ。調布学園女子短期大学教授を経て、20143月まで江戸東京博物館都市歴史研究室長・教授として調査研究事業を推進した。

東京都伝統工芸品産業振興協議会会長、東京都中小企業振興公社「東京手仕事」プロジェクト統括アドバイザー、東京国立博物館協力会評議員、国立科学博物館外部評価委員、国際浮世絵学会常任理事などをつとめる。

専門は日本芸術文化史。都市風俗図や浮世絵、大名文化人などの研究を行う。タイ・バンコクの「日本のデザイン遺伝子展」、モナコの「京都—東京〜サムライからマンガまで展」の共同監修者、ボストン美術館浮世絵の国際調査メンバーなど、内外の美術作品や文化史資料の調査研究も行う。

 

著書に『都市図の系譜と江戸』など、共編著に『日本庶民生活史料集成第30諸職風俗図絵』『図説 江戸図屏風をよむ』『ビジュアルワイド江戸時代館』など、共著に『「熈代勝覧」の日本橋』『江戸のかたち』“The Kidai-Shōran Scroll”(JAPAN LIBRARY)ほか多数。

黒石陽子

英語通訳案内士。(通訳案内士新人研修講師)NPO日本文化体験交流塾(IJCEE)理事。2007年合格。2020年観光庁研修指導員
夫の転勤に伴うアメリカ在住時代は、小学校で手作り紙芝居のLunchtime teacher,「学校一日Japan Day!」などボランティアを通して日本文化を広めた。今も続く工夫とユーモアで本業でも好評をもらっている。考古学者と行く知識層の縄文遺跡ツアー、博物館ツアーなどSITを得意とし、高い評価を得ている。
全国の観光地のガイド経験を有し、知識の広さ、判断力、顧客への配慮でトップレベルのスルーガイドとVIPガイドの双方をこなす。
岩手県、千葉県等多数の講師経験を有する。
趣味は美術館めぐり。お寺の美術品観賞。

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