昨年、「禅と日本文化」を4回シリーズで開催しましたが、難解な文章を読むためには、一回の文章量を減らしてほしいという声がありました。
例えば、「第3章 禅と武士」は、対訳本で50ページあります。
主な登場人物は、以下の9人です。
①仏光国師(無学祖元)
南宋から訪日、円覚寺の開祖
②栄西 臨済宗の開祖
③北条時頼 5代執権 最初の禅の修行者
大河ドラマ主人公北条義時のひ孫
④北条時宗 8代執権 日本が生み出した最大の人物の一人、元寇で蒙古軍の侵入を阻止した
⑤柳生但馬守 将軍家剣術指南 柳生新陰流の開祖 「葉隠れ」に登場
⑥塚原卜伝 兵法家 宮本武蔵との逸話が有名
⑦上杉謙信 野戦において不敗の戦国最強の武将
⑧武田信玄 戦いの前に花をめでた、美を愛した武将
⑨快川和尚 武田信玄の禅の師範、恵林寺住職として、「心頭滅却すれば火もまた涼し」は有名く
以上の登場人物を、昨年は2回の講義で紹介しましたが、内容が多く、受講生は、難解だったと思われます。 今回は、これを3回に分けて、購読します。
今年は全13回とし、一冊最後までの通読に挑みます。
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日程 |
本年度企画 |
昨年度2021年実施 |
講師/備考 |
前期 |
第1回 |
2/1(火) |
事前説明「鈴木大拙を学ぶ」 |
なし |
米原亮三 |
第2回 |
2/22(火) |
第1章/禅の予備知識 *概要、下記参照 |
第1章/禅の予備知識 |
水野聡氏 *前回2021年の受講者(会場・Zoom・動画受講)が本講義を再度聞く場合は、受講料を減免する。 |
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第3回 |
3/22(火) |
第2章/禅と美術① *概要、下記参照 |
第2章/禅と美術 |
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第4回 |
4/26(火) |
第2章/禅と美術② *概要、下記参照 |
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第5回 |
5/24(火) |
第3章/禅と武士① |
第3章/禅と武士① 第3章/禅と武士② |
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第6回 |
6/28(火) |
第3章/禅と武士② |
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第7回 |
7/26(火) |
第3章/禅と武士③ |
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後期 |
第8回 |
8/23(火) |
第4章/禅と剣道① |
なし |
水野聡氏 |
第9回 |
9/27(火) |
第4章/禅と剣道② |
なし |
水野聡氏 |
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第10回 |
10/25(火) |
第5章/禅と儒教 |
なし |
水野聡氏 |
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第11回 |
11/22(火) |
第6章/禅と茶道① |
なし |
水野聡氏 |
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第12回 |
12/13(火) |
第6章/禅と茶道② |
なし |
水野聡氏 |
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第13回 |
1/24(火) |
第7章/禅と俳句 |
なし |
水野聡氏 |
「武士は桜の花の如く、死に際していさぎよく散るべきである」。
学問や芸道のいずれの分野にも属せず、しかし一番色濃く日本文化を代表するのが武士道ではなかろうか。大拙はまず、日本に禅と武士道が生まれ、歩調をそろえて発展していった、その歴史的同期性に着眼しつつ、“生死を離れ”“今を最大限に生き切る”不屈の精神性を基調低音として、禅と武士の相関を様々なテキストを駆使して語り尽している。
北条氏をはじめとする鎌倉武士とは何か。そして戦国期の二大英雄、上杉謙信と武田信玄の生きざまとはどのようなものであったか…。さらに、武士以上に毅然として豪火の中に入寂した禅僧、快川和尚の軌跡をたどっていく。
武士道なくして、日本に禅なし。
禅なくして、日本に武士道なし。
≪1.禅と武士は、なぜ結びついたのか≫
歴史的に見て、仏教はかつて戦と関係しなかった。なぜ、禅だけが武士の戦う精神と結びついたのか。
①禅は道徳と哲学の2つの方面から武士を支援した。
道徳:一度道を踏み出したら、禅は決して振り返らないことを教えるから。
哲学:禅は、生と死を切り離して考えないから。
禅は意志の宗教だから、哲学よりもいっそう道徳的に武士道精神に訴えるのだ。
【学びのポイント】 宗派による教義の違い
・易行、他力 → 浄土宗
・難行、自力 → 禅
②禅は単純、直截、自恃、克己的である。
戒律的な傾向が武人の精神とよく合致する。立派な武士は禁欲的、自粛的である。
↓
武田信玄、上杉謙信 (葉隠武士道)
③禅と武士がともに発展した、歴史的必然性があった。
旧仏教が支配する京都ではなく、北条氏が拠点とした鎌倉には、貴族や旧仏教の地盤がなく、禅と武門はともに発展し、様々な日本文化成立の影響力となりえた。
④禅は武士のみならず、どのような新しい層とも柔軟に結びつく
・禅は特別な理論や哲学を定めない
・すなわちどのような考え、信条とも相容れる
・禅はいつも革命的精神の支援者である
「天台は宮家、真言は公卿、禅は武家、浄土は平民」
(平田篤胤「天台天子、公家真言」より)
≪2.北条氏と禅の結びつき≫
[1.北条時頼]
北条家の最初の参禅者は、五代執権北条時頼である。
京都から鎌倉へ禅僧を招く。さらに中国からも高僧を招いて禅の奥義を会得した。
・時頼の師: 中国の禅僧、兀庵普寧
[2.北条時宗]
・時頼の次男、第八代執権北条時宗は、日本が生み出した中世最大の偉人。
執権在職中に日本最大の危機である「元寇」に立ち向かい、これを撃退した。
元寇で戦死した日中両国の兵士を弔うため、仏光国師(無学祖元)を招き、円覚寺を開山した。
仏光国師と時宗の問答は、時宗の禅に対する丹誠をよく理解させる。
時宗:いかにして、我が諸々の思念と意識を断ち切れますか。
仏光:座禅を組め。時宗自身に属すると思う、一切の思念の源に徹底せよ。
時宗:私は俗事がたくさんあります。瞑想の暇が見つかりません。
仏光:俗事に携わろうとも、それを内省の機会として取り上げよ。いつかは汝の内なる時宗の誰であるかを悟るであろう。
時宗は、禅により国難を退けた、偉大な精神をもつ修行者であっただけではなく、後世、室町時代に最盛を迎える、日中貿易の端を開いた最初の権力者でもあった。
※フルバージョンは以下のPDFにてお楽しみください。
全日程、開始は13時~14時30分。第1回は、15時まで。内容により、15時まで延長することがあります。
◎メインテキスト
「禅と日本文化」岩波新書 800円
*受講までに、各自ご購入下さい。
〇参考テキスト
(NPO日本文化体験交流塾発行)
・対訳「禅と日本文化」
Zen and Japanese Culture 講談社
【受講形態】
①会場受講(機械振興会館) ②Zoom受講 ③録画動画受講(今期分は12月末まで配信。前期2021年収録分は、2022年7月末まで配信)
【催行最少人数】各講座 7名
昨年度は、1回ごとの受講料が2800円でした。今回は、長引くコロナの影響により、収入が少ない方々に配慮し、受講料を引き下げました。
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会場・Zoom.・動画受講 |
7回シリーズ受講券 |
IJCEE会員/TJスクール生 |
1,600円 |
9,000円 |
再受講者(2021年第1章~第3章の受講者対象) *受けたものを申告してください。 |
800円 |
なし |
フレンドシップ団体 |
1,800円 |
11,000円 |
一般 |
2,000円 |
12,500円 |
【注意】*7回シリーズ受講券をご購入後、一部キャンセルが発生した場合、返金はできません。
*今回の動画受講の配信期間は、2022年12月末とします。
*お申込まれた全ての方に、録画動画を配信します。
昨年2021年は第1章「禅の予備知識」、第2章「禅と美術」、第3章「禅と武士」①②と、4回実施しました。昨年受けられた章と同じ章を今年受講される場合は、受講料を800円に減免します。該当する方は、お申し込みの際、メモ欄に、その旨をご記入ください。
なお、再受講の一括受講券はございませんので、各回のカートにてお申し込みください。
以下の【申し込みカート】より、ご希望の日時と受講形態を選び、『カートに追加』で受講券をお求めください。右上にカートの内容が掲載されますので手続きを進めてください。
決済はクレジットカードまたは銀行振込をお選びいただけます。
銀行振り込みをお望みの方は、受講券確保後、下記の口座にお振込みください。
※Paypalでのお支払い時に不具合が発生しましたら、こちらのPaypal問合せページ、
または0120-271-888までご連絡をお願い致します。
みずほ銀行 丸の内中央支店(004) 普通預金 1131101
トクヒ)ニホンブンカタイケンコウリュウジュク
★★★フレンドシップ/再受講/長期優待 でお申し込み希望の方へ★★★
◎フレンドシップ券でお申込の方は、メモ欄に、ご受講方法と併せてご所属団体名を必ず明記ください。
◎「再受講」料金適用希望の方は、メモ欄に、ご受講方法と併せて、「2021年第〇回受講」と明記ください。適用対象は、第2回~第7回です。
◎長期継続会員優待(2019年以前にご入会の方対象)適用ご希望のIJCEE会員様は、お手続き中のメモ欄に、「長期優待」と記載ください。
お支払い方法は「銀行振込」を選択してください。ご注文確認後、メールで差額お支払い方法をご案内致します。
再受講者の一括受講券はありません。再受講でのお申し込みは各回のカートからお申し込みください。
<フレンドシップ団体リスト>
HoTGIA(北海道通訳案内士協会)、N.G.A(新潟県通訳案内士協会)
GICSS(通訳ガイド&コミュニケーション・スキル研究会)、
KIGA(一般社団法人 関西通訳・ガイド協会)、HIGA(一般社団法人 ひろしま通訳・ガイド協会)
K-iTG(九州通訳・翻訳者・ガイド協会)、OIGA(沖縄通訳案内士会)
●世界的名著である、鈴木大拙の『禅と日本文化』を講師の指導の下、音読していく講読講座です。※講読対象は訳文(日本語)です。
●講座受講生はテキストの指定章段を事前に目を通して予習しておく。研修当日、任意の受講生による音読の後、水野講師がわかりやすく解説して進めます。講座はijcee本部会議室での座学講座に加え、遠隔地からもZOOMを通してリアルタイムで受講できます。
参加者全員で「禅とは何か」「日本文化とは何か」を現代の生きた知識として共有していきましょう。
仏教(禅)学者、思想家(1870~1966)。石川県金沢市に生まれる。東京帝国大学に学び、鎌倉円覚寺で修行する。1897年より渡米、以降アメリカの大学やヨーロッパで大乗仏教思想、とくに禅思想を広く世界に紹介し、海外に“ZEN”ブームを引き起こした一人となる。『禅と日本文化』をはじめ、著書約100冊の内23冊が、英文で書かれている。梅原猛曰く、「近代日本最大の仏教学者」。
◆水野聡氏
古典翻訳家、中世日本文化史講師。
能、茶道、日本庭園、武士道、俳諧、禅など日本の中世の芸道、美学、精神文化を専攻。これら古典名著を現代語訳にて執筆、発刊しています。
オフィシャルホームページ【言の葉庵】では、自著を中心に千利休、世阿弥、一休宗純、宮本武蔵、松尾芭蕉等の名言名句を解説、紹介。いにしえの偉人、達人から、今日本人として美しく、強く生きるための知恵を学び、広く普及させるため、全国カルチャーセンターにて各講座を開講している。古典名著により親しむための丸秘原典読解教室も展開中。
著書に「強く生きる極意 五輪書/宮本武蔵著 水野聡訳(PHPエディターズグループ2004.8)」、「現代語訳 風姿花伝/世阿弥著 水野聡訳(PHPエディターズグループ2005.1)」、「南方録 現代語全文完訳/南坊宗啓著 水野聡訳(能文社2005.12)」、「葉隠 現代語全文完訳 山本常朝/田代陣基著 水野聡訳(能文社2005.12)」等がある。
●IJCEE関東本部 機械振興会館内 *当日、本部前に貼り出すスケジュール表をご覧ください。
機械振興会館
◆〒105-0011
東京都港区芝公園3-5-8 本館B109
◆最寄りの交通機関
・東京メトロ日比谷線:神谷町駅下車 徒歩8分
・都営地下鉄三田線:御成門駅下車 徒歩8分